初恋の行く末
「翔お待たせ」

大きなバッグを片手に持って美保子は車に乗り込む。
「おはよう」

言いながら彼女の鞄を後部の席に置き小さくて厚い唇に軽く俺の唇を重ねた。

体温が熱い!体調を崩してる?

美保子のオデコに手を当てるとかなり熱かった。

「美保子、高熱だけど大丈夫?」

そう問うと

「熱くらいだし、そのうち下がるかなと思って」

と元気なく笑いながら答えた。

あきらかに体調が悪そうだ。

「今日は無理するの止めよう。家でゆっくり休もう」
そう言ったら

「でもせっかく翔と動物園だし一緒にいたいから大丈夫だよ」

と無理をした。

「動物園はまた今度行こう。今日はこのまま俺ん家に行ってのんびりしよう」

と言ったら

「ありがとう。でも翔に風邪うつしてしまうかも?」
今度は俺に気を使った。

「気にしないでいいよ。ちょうど今仕事暇だし有給休暇、消化するのに丁度いい」

そう言ったらやっと

「翔が風邪引いたら看病するね」

と納得した。

「美保子に看病して欲しいから風邪引きたいな」

と甘えたら

「翔が病気になったらいつでも看病するから安心して」

と頭を撫でられた。

美保子と将来一緒に暮らしている映像が浮かんだ。

いつか現実になったら最高だな。

そうなる可能性はどれくらいあるんだろう?


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