初恋の行く末
ガスコに着いて急いで友美が座る席を探した。

今日の友美は珍しくスカートでスエットのロングワンピースにスニーカーという格好だった。

相変わらず綺麗だな

見とれてしまうけど、そそられるのは美保子だ。

俺どうしようもないくらい彼女に溺れてる。

「友美待った?」

と声を掛ける。

「ううん。お店に着いたばかりなの」

友美は緊張した面持ちで微笑んだ。

席に座ってメニュー表を取りながら

「友美は何頼んだの?」

と聞くと

「小林ご免なさい。あなたの気持ちに気付かずに私ずいぶん小林に甘えて」

と深く頭を下げた。

「謝る必要なんてないよ。友美は大事な友達だから」
と言った。

"友達"

自分で発した言葉に納得ができた。

俺は友情を愛情と
勘違いしてたんだな。

友美の事は好きだけど美保子に感じる感情とは違う。
俺の中で友美はようやく過去の思いになれたんだと気付いた。

それを聞いて友美は

「本当にそう思ってくれてる?無理してない?小林は私と似てて気持ち抑えるタイプだから」

と言った。

友美はちゃんと俺の事見てくれているんだな。

その気遣いが嬉しかった。
「大丈夫だよ。実は俺友美に謝らないといけない事があるんだ。前回友美に告白したけど、ごめん実は俺好きな女性いるんだ」

と言って深く頭を下げて話を続けた。

「友美の事は確かに学生時代は好きだった。でも最近付き合っている彼女が出来て今はその子が好きなんだ」

言い終わって友美を見ると安心した表情を見せて

「良かった。小林に本気な人がいて。正直私も小林は大事な友達なの。幸せになって欲しいし困った時は助けたいと思ってる」

と穏やかに微笑んだ。

友美の言葉を聞いて俺が思っている気持ちと同じで嬉しかった。

俺の初恋はすでに終わっていて学生時代に告白してなかったから気持ちが残ったままだったという事がわかった。


「そう言ってくれて嬉しいよ。俺も友美と同じ気持ちだから」

そう言って友美を見つめた。

友美はポロポロと涙をこぼしながら

「なんか感動した。小林これからも友達として宜しくね」

と手を俺の前に出した

俺もつられて泣きそうになりながら

「こちらこそ友達として宜しく」

と握手した。

「今日こそは小林に彼女が出来たお祝いにご馳走させてね。」

と友美はテーブルにあった伝票を自分の元に置いた。
「サンキュー友美」

良かった。友美とこれからも友人でいられる。

そういえば友美、高橋とはどうなったんだろう?

気になって

「友美、あれから高橋とはどうなった?」

と質問したら

「実は3日前に籍を入れたの。子供も出来てね。来年春には産まれる」

幸せそうにお腹に手を当て微笑んだ。


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