その愛の終わりに


脇腹を伝う手の動きが、尻たぶに、そして太ももに降りていく。

今さら止めてくれるはずがないし、ここまで来たら晩餐には間に合わないだろう。

頭の片隅でそうぼんやりと考えていたのを余裕ととらえたのか、義直は美都子の体をひっくり返した。


「そのまま、机に手をついて」


耳を甘噛みされ、思わず机に手を着いたら、強烈な圧迫感が美都子を襲った。

ぬちゃ、と粘りけのある水音をたて、楔が打ち込まれる。

義直に仕込まれた体は素直にその快感を拾いあげ、律動のたびに程よい締め付けを与えた。


「あ、あぁッ」


耐えきれずといった風に飛び出た声に興奮を煽られ、義直はさらに強く、美都子の中を揺さぶった。

細くしなやかな腰を掴み、力のままに美都子を喘がせる。

彼女の理性を奪い、支配しているのは自分なのだ。

その事実に愉悦を覚え、快感に達し力無く机に崩れ落ちる美都子に腰を押し付ける。

長い射精の間、美都子は肩で息をしていた。

慎重に体を離し、汚れた臀部をハンカチで拭き取ると、理性を取り戻した美都子は義直を小さく睨み付けた。


「いきなり何をなさるんですか」

「したくなったから、つい」


悪びれずにそう言えば、美都子はまともに説教をしようとしたが、すぐに諦めた。

義直が気まぐれを起こすことは珍しくない。

本当に、今日はたまたまそういう気分だったのだろう。


「晩餐の時間にはまだ間に合うだろう?」


壁に掛けられた時計を指され、やはりただの気まぐれだと美都子は認識した。

自分も積極的に楽しんだことは、都合よくなかったことにして。


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