好きだと言ってほしいから
逢坂さんが私の瞳をじっと覗き込んできた。私は恥ずかしくなり視線を下げると何度も瞬きをする。こうして彼に見つめられるとどうしてもドキドキしてしまう。彼と付き合い始めてからもうすぐ二年になるというのに、相変わらず彼の前では緊張してしまう。
逢坂さんが私の名を呼んだので見上げると、彼はふっと微笑んだ。仕方ないな、とでも言うように肩を軽く上下させる。それからポケットを探るとピンクのスワロフスキーが埋め込まれた可愛いクマのキーホルダーを取り出した。シルバーのキーホルダーの先には鍵が一つ、ぶら下がっている。
「じゃあ先に帰っていて。俺、今日は少し遅くなるかもしれないから」
「はい」
逢坂さんのマンションの鍵がついた、およそ彼らしくないキーホルダーを私は両手で受け取った。
「麻衣、おっはよ!」
海外販売事業部の逢坂さんとエレベーター前で別れた私が、一階のフロア奥にあるロッカールームのドアを開けたとき、背後から明るい声とともに肩を叩かれた。声の主が分かった私はすぐに振り返って笑顔を返す。
「おはよ、葵ちゃん」
私のすぐ後ろには松崎葵(まつざきあおい)がニコニコと、いや、ほんの少しニヤついた笑みを浮かべながら立っていた。
彼女は私の同期で同じ大学出身だ。身長は百七十センチ近くあり、モデルのようにスラッとしていて脚も長い。小顔ゆえにショートカットがぴったり似合っている彼女は、何を着てもサマになりいつも惚れ惚れする。今日もモスグリーンの細身のパンツスーツを完璧に着こなしていた。
逢坂さんが私の名を呼んだので見上げると、彼はふっと微笑んだ。仕方ないな、とでも言うように肩を軽く上下させる。それからポケットを探るとピンクのスワロフスキーが埋め込まれた可愛いクマのキーホルダーを取り出した。シルバーのキーホルダーの先には鍵が一つ、ぶら下がっている。
「じゃあ先に帰っていて。俺、今日は少し遅くなるかもしれないから」
「はい」
逢坂さんのマンションの鍵がついた、およそ彼らしくないキーホルダーを私は両手で受け取った。
「麻衣、おっはよ!」
海外販売事業部の逢坂さんとエレベーター前で別れた私が、一階のフロア奥にあるロッカールームのドアを開けたとき、背後から明るい声とともに肩を叩かれた。声の主が分かった私はすぐに振り返って笑顔を返す。
「おはよ、葵ちゃん」
私のすぐ後ろには松崎葵(まつざきあおい)がニコニコと、いや、ほんの少しニヤついた笑みを浮かべながら立っていた。
彼女は私の同期で同じ大学出身だ。身長は百七十センチ近くあり、モデルのようにスラッとしていて脚も長い。小顔ゆえにショートカットがぴったり似合っている彼女は、何を着てもサマになりいつも惚れ惚れする。今日もモスグリーンの細身のパンツスーツを完璧に着こなしていた。