【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
し、信じられない…。
どんな男を連れて来たのかと思えば…
一体世間はどれだけ狭いのやら。
「有栖川さんお久しぶりです」
目の前に立っていたのは、初対面でもなんでもないあの男だったから。
「やあ、翼くん!よく来てくれた!!
ほら桃果、挨拶しなさい。
彼がお前の婚約者になる黒瀧翼くんだ」
「…はあぁっ!?」
焦げ茶色のストレートヘア。
クリッとした色素の薄い瞳に長いまつ毛。
端正な顔立ちにモデルのような体型をした彼は、
うちの学園のプリンスとか言われてるあの…
「よろしく。桃果さん」
「えぇぇ〜〜っ!!?
ウソでしょ〜っ!!」