生徒だけど寮母やります!2



..........ん?


景にとっては初めて聞く名前

ハナチャン


この話の流れのどこからその名前が出てきたのか、景にはわからなかった


「ハナちゃんって?誰?」


景の気持ちを代弁するようにルークが尋ねる


すると、結斗の姉は頷いて言った


「私たちの家で、三ヶ月くらい前から飼い始めた犬の名前よ」


「えっ」


結斗の姉の言葉に、景、市河、咲夜は声を上げる


続けて弥隼が

「まさか」

と眉を顰め、景が咄嗟に尋ねた


「結斗のお姉さん、その犬ってもしかして、シベリアンハスキーじゃないですか!?しかも凄く小さな!」


「えぇ.....そ、そうよ。多分その犬が今、あの女性にいきなり変わったの」


景は愕然として口元に両手を当てると


「そういうことだったんだ.....」

と呟いた


そんな景を見て、結斗が口を開く


「昨日ココに帰った時、いつもは観葉植物が置いてあった場所に、犬のゲージが置かれてたから、もしかしたらって思ったんだ。

犬は外に連れ出されていていなかったから、シベリアンハスキーだとは分からなかったけど」


結斗は昨日、実家についてすぐに家のいつもとは違うところに気づき、お茶を入れてくれた姉に聞いたことを思い出した



ーー『姉さん.....これは.....?』


ーー『これ?結斗知らなかったんだ?』



ーーー犬のゲージだよ。お母さんが子犬を飼い始めたんだって。


残念だけど、今は子犬は出かけてるの。挨拶はまた今度だねーー




結斗の言葉に、姉も頷く


「私もここに住んでるわけじゃないからよくは知らないんだけど.....。私たちの母が、三ヶ月前にお友達から赤ちゃんの犬を譲り受けたんだって言っていたわ」



姉の説明に、景にはハッと思うところがあった

< 217 / 547 >

この作品をシェア

pagetop