生徒だけど寮母やります!2





それはまるで


彼氏と彼女みたいだった


一歩先を行くライは強く手を握ったまま、それでも歩幅を合わせて歩いてくれている


彼の背中がなんだかとても頼もしくて


安心して


心臓がバクバクと鳴る


私だけ..........かな?


だってこんなこと.....いつものライだったらしないよね.....?


ライはどう思っているのか


聞きたくなった




ビルの外に出ると既に空は暗く、道を歩く人の数も昼間と比べて減っていた


ライはクルリと景を振り返り


「どっか行きたいとこある?ここら辺全然知らねぇけど」

と尋ねる


そして景と繋いでいない方の手でジーパンのポケットからスマホを取り出して操作し始めた


地図でも見ているのだろう


「何かいろいろある」


彼はそう言ってスマホ画面を景に向けた


「本当だ.....ここらへん都会なんだね」


「まぁ.....伊吹の本社あるしな」


景は受け取ったスマホの画面に映されている、この辺り周辺の地図をスクロールする


「うーん」


ファミレス、喫茶店、パティスリー


確かに色々と充実した街なのだが


特に行きたいところも見つからないのだ


それを察したライが

「いきなり言われても分かんねーか」


と自分のスマホを受け取った


「うん.....」


再び画面に視線を落とすライ


そんな彼を見上げ、景は


「私は.....ライとお喋りしたいかな」


そう言って、彼の顔を見た

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