生徒だけど寮母やります!2



『お母さん、体調はどう?』


『だいぶ、良いわ』


結斗の母の声だろう

か細くて綺麗な声がそう答えた


『それなら良かった』


結斗の姉は安堵したように言う


『瑞季.....ありがとね』


姉、瑞季(みずき)は母親から礼を言われ、『何言ってるのよ』と首を振った


『ねぇ、お母さん。聞いて良い?ハナちゃんの事だけど、あの子誰から頂いたの?』


瑞季の言葉に、母は

『あれ、言ってなかったかしら』

と呟く


『私は聞いてないわよ。知り合いの家で仔犬が産まれたから頂いたとしか』


『あら、そうだったかしらね』


母はため息をついて笑うと


『あの子は月沼さんから頂いたのよ』

と言った


『月沼さん?月沼さんって、月沼トレーディングの?』


『そうそう。結斗は月沼さんのお子さんと同じクラスなの。月沼さんの奥様がね、子供達が家から出て行って、少し余裕が出てきたし、伊吹さんも犬でも飼ったらいいわって』


瑞季は一瞬間を空けると


『それで月沼さんの家で産まれた仔犬を頂いたの?』

と尋ねた



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