生徒だけど寮母やります!2

もがきます!








景とライが伊吹グループのビルから出て30分が経ち、時間的にも帰らなければならなくなった頃


全員は、伊吹グループのビル前に集合した



「「月沼!?」」

景とライは歩きながら(景は背負われながら)結斗から彼の姉と母の会話内容を聞き、驚きの声をハモらせる


「2人とも道端で人の名前を叫ぶじゃないよ」

咲夜にコラコラとたしなめられたライは、ため息を吐き出すと結斗を見た


「またよりによって月沼って.....あいつは.....お前の.....」


結斗はライの続かなくなった言葉に苦笑いして

「本当にね.....」

と呟く


景はそんな彼の様子を見て口を開いた

「でも、お姉ちゃんの件には月沼君のお母さんが関係してるってだけで、月沼君自身は何も知らないって可能性も十分あると思うけど.....」


伊吹家に犬(笠上美音)を譲った人は、魔術科2年生(景、ライ、結斗)のクラスメートである月沼の母親


月沼の家は伊吹グループと同じく月沼トレーディングという貿易会社であることから、結斗と彼はとても仲が良かった


景もクラスで月沼を見たり、少し喋っただけだが彼に関しては良い印象しか無い


「2人あんなに仲良いし、もし月沼君がそれを知ってたら結斗に言うと思う」


「うん.....ありがとう、景ちゃん」


「う、ううん。私も月沼君が良い人だって良く知ってるから.....それに、今日爽馬の実家に行く後押しをしてくれたのも月沼君だったから.....」


景の言葉に、その後ろを市河と並んで歩く千冬が頷いた


「そうですね。月沼先輩の助言が無ければ、先輩方は小高家には行かなかったと思いますよ。

結斗先輩は、その.....月沼先輩から自分の実家で産まれた仔犬が、伊吹家に譲られたなんて聞いてないんでしょう?」


「うん.....聞いてない」


だったら月沼は何も知らないのではないか?


そんな解釈をぶった切るように、続いて口を開いたのは千加だった

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