生徒だけど寮母やります!2
しかしそんな訴えは、彼にはまるで響かない
相手にされてすらいないのだ
取り合おうとしない父親に、由馬が業を煮やして口を開いた
「お言葉ですが、僕たちがそのリスクの高い計画に失敗したとして、責任を取るのはあなたです。妖術結社の幹部にバレた際には、包み隠さず話します。こちらだって自分たちの身が大事ですから」
その言葉に父親は口の端を一瞬上げて鼻で笑うと
「勿論だ」
と、さも当たり前のように吐き捨てた
余裕のある笑みに、その場にいた全員は寒気を覚える
「.....随分の覚悟がお有りのようですが、実際こんな任務、成功するとは思えません。
失敗してバレて、上(幹部)から罰を受けるような事があっても、司令塔の貴方はそれを受け入れて下さいよ。命令されただけの僕たちに押し付けないで下さいよ」
道具には一切の責任が無い事を約束させようとする由馬
こちらを見下すような目つきで座っている父親は、それを聞いて
「ああ。もしも幹部が罰を下すような事があるのなら、それは私が受けよう」
とサラリと言った
..........もしも
幹部が罰を下すような事があるのなら.....
まさか.....
「幹部はこの件を、黙認してるのか.....」
アカギが小さい声で呟く
父親は、それについて言及もせず
爽馬たちが、自分たちの置かれた状況を理解するのにそう時間は掛からなかった