生徒だけど寮母やります!2







。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚




その頃教室では、ライがまたもや有姫に捕まって採寸を受けている最中だった



「あーら今の見た?ライくん」


ライの腰にメジャーをぐるっと巻きつけながら有姫が聞く


「何を」

「伊吹くんが景を連れ去った所をよ」


嬉々として一語一句はっきり伝える有姫


ライの不快そうな顔を気にも留めず、彼女は顎を引いて上目遣いで

「気になったんでしょう?」

とからかった


「クソフェミストの癖だ。いつものことだろ」

「そうかしらね」

「てか、何回俺の身体測んの」


今日だけで3度は採寸にお呼ばれしたライは、苛立ちをあらわに言う


有姫はそんな彼を見て


どこにイラついてんのかしらね......


そんな含みを持った笑みを浮かべながらメジャーを動かした


「早くしろ」

「してるわよ」


思い返せば入学当初はライに一目惚れをしていた


ライや男子寮Bの生徒たちといつも一緒にいた女が妬ましくて、酷いこともしてしまった



けれど彼女は今では親友
___少なくとも自分はそう思っている
だし


彼女を含む友人や男子寮Bの彼らにも、素直に口が悪くて傲慢な素の自分を出すようになった



そうしたら、ブリっ子していた頃よりもよっぽど、彼らに素で接してもらうことができたのだ


それが嬉しくて


あの頃のような卑屈な心じゃなく



素直に思い切り、性悪女になれた



「はい測り終わったわ、腰はね!まだ下は終わってないんだから1時間後に来てちょうだい」


「うわめんど」


「嫌がらない。良い?絶対きてよね。私がウザいくらい女子が群がるかっこいいバーテンにしてあげるわ」


高飛車に笑いながら言うと、ライは目を細め小さい声で

「物好きだな」

と鼻で笑う


「それと、景戻ってきたわよ」


そんな彼に有姫は親切に教室に戻ってきた親友を指差し


意味深な目線をライに送ってあげた


(からといってライは素直に景の元へ行くような男ではない)
< 328 / 547 >

この作品をシェア

pagetop