生徒だけど寮母やります!2
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その頃教室では、ライがまたもや有姫に捕まって採寸を受けている最中だった
「あーら今の見た?ライくん」
ライの腰にメジャーをぐるっと巻きつけながら有姫が聞く
「何を」
「伊吹くんが景を連れ去った所をよ」
嬉々として一語一句はっきり伝える有姫
ライの不快そうな顔を気にも留めず、彼女は顎を引いて上目遣いで
「気になったんでしょう?」
とからかった
「クソフェミストの癖だ。いつものことだろ」
「そうかしらね」
「てか、何回俺の身体測んの」
今日だけで3度は採寸にお呼ばれしたライは、苛立ちをあらわに言う
有姫はそんな彼を見て
どこにイラついてんのかしらね......
そんな含みを持った笑みを浮かべながらメジャーを動かした
「早くしろ」
「してるわよ」
思い返せば入学当初はライに一目惚れをしていた
ライや男子寮Bの生徒たちといつも一緒にいた女が妬ましくて、酷いこともしてしまった
けれど彼女は今では親友
___少なくとも自分はそう思っている
だし
彼女を含む友人や男子寮Bの彼らにも、素直に口が悪くて傲慢な素の自分を出すようになった
そうしたら、ブリっ子していた頃よりもよっぽど、彼らに素で接してもらうことができたのだ
それが嬉しくて
あの頃のような卑屈な心じゃなく
素直に思い切り、性悪女になれた
「はい測り終わったわ、腰はね!まだ下は終わってないんだから1時間後に来てちょうだい」
「うわめんど」
「嫌がらない。良い?絶対きてよね。私がウザいくらい女子が群がるかっこいいバーテンにしてあげるわ」
高飛車に笑いながら言うと、ライは目を細め小さい声で
「物好きだな」
と鼻で笑う
「それと、景戻ってきたわよ」
そんな彼に有姫は親切に教室に戻ってきた親友を指差し
意味深な目線をライに送ってあげた
(からといってライは素直に景の元へ行くような男ではない)