生徒だけど寮母やります!2



その時だった


咲夜がその場で足を止めたことで、一年生も顔を見合わせて立ち止まる


すると、少し離れた場所から複数人が近づいてくる足音がよく聞こえた


心地よい揺れが収まったリュックの中

景は悪寒を感じ息を飲んだ


_____この辺りの住人の足音かもしれない


_____けれど足音は焦っているように聞こえるし、少なくとも3人はいる気がする


_____妖術結社の可能性の方が高い



同じことを考え、景よりも早く覚悟を持った咲夜がリュックごと彼女を抱きしめる


声には出さなかったが、「大丈夫だ」と安心させようとしてくれる咲夜の気持ちが伝わってきて


景はリュック越しの彼の胸に身を寄せた



足音がどんどん近づいてくる


心拍数が上がる



この人数で隠れる場所も無いし、出会ってしまうのは避けられそうにない


たとえ妖術結社だったとしても


咲夜も一年生も顔が割れてない

きっとやり過ごせる



景も覚悟を決めた

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