生徒だけど寮母やります!2



そんな中、最初に口を開いたのはルークだった


彼はウェーブを描くキメの細かい金髪から鋭く目を覗かせ、潮見を見る


無表情であり軽蔑の眼差しとも思えるルークの表情には、相手をすくませるような何かがあった



「君が俺のことを嗅ぎ回ってるのは知っていたが、こうなるとは思わなかったネ。30秒で彼女を拘束した理由を言え」


景は思わず開いた口もふさがらず、ルークを見つめる



彼が、こんなにも怒るとは思わなかった


結斗と鈴菜と目が合い、景は何が起きてるのかさっぱりだと、3人でアイコンタクトを交わした


潮見は短くため息をつき、景の両手首を離す


やっと解放された景が慌てて潮見から距離をとって後ろに下がると同時に彼は


「笠上景が、あなたをたぶらかしたかもしれないと思ったんだ」

と不本意そうに吐き捨てた


「たぶらかした?」


「だっておかしいだろう?あなたは日本みたいなちっちゃい国を相手にするような立場の人間じゃないじゃないか!理由は笠上景にあるんじゃないかって。前々から男子寮Bはおかしいと思ってたんだ、それもこれも全部この女が.....!」


ルークは潮見の熱意に「わかっタわかっタ黙れ」と引き気味に言いながら、景のもとへと歩み寄る


そして、潮見の意見を全て無視して、景の前に跪いた


「えっ、ちょっ」


目の前で跪かれ、慌てたのは景だけではない


「ルーク君!?」

「なっ、なんやあいつ」

結斗や鈴菜の反応にも気にせず、ルークは景に謝罪の言葉を述べた

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