真夜中の恋人
タカヤが艶っぽい瞳でわたしを見詰める。
まるで心臓を掴まれているみたい。苦しくて息も出来ない。

「……離して」

「このまま、シようか?」

イヤだと言っても、どうせ聞き入れてはもらえない。

タカヤがわたしの腰を掴んだ。


「タカヤ……」

「可愛いよ、ナツ」

囁かれると、どうしていいのかわからなくなる。

ソファに押し倒されると、直ぐにタカヤが覆いかぶさってきた。
途端にアンバーの香りがわたしを包みこむ。

もう拒めなかった。


どうしてなんだろう。
愛されないとわかっているのに、どうしてそれを望んでしまうのだろう。

何も知らなければ冷静でいられるなんて、それは嘘だった。

酷く傷ついた顔をして真夜中に訪れた日のことも、甘い香りをさせながらご機嫌な理由も。
一歩踏み込んだわたしを激しく拒絶したあの夜も。

すべてがわたしを溺れさせていく。


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