真夜中の恋人
本当に素敵。
そんな彼とわたしが並んで歩くなんて……。
皆はどんな目でわたし達を見るだろう?
きっと、恋人には見えない。
だとしたら……。
「どうした?浮かない顔して。気に入らない?」
タカヤがわたしの顔を覗き込むと、ふわりとアンバーのいい匂いがした。
大人の男の香りだ。
どう考えても、わたしとタカヤは釣り合わない。
「ナツ?」
「……タカヤが決めて。自分じゃわからないから」
そう答えてタカヤから目を逸らした。
タカヤは「そうだな」と顎に手をあてて、少し考えるように黙り込むと「ナツは肌がキレイだから、こっちの黒のワンピースがいいと思う。どうだろう?」と手にしたワンピースをわたしに当てて、鏡越しにチェックする。
「……じゃ、これで」
「ナツは、着替えておいで」
結局わたしは、お会計まですべてタカヤに任せてしまった。
それから、美容室で髪をセットしてメイクを終える頃には、すっかり暗くなっていた。