ラブレターを君に


カズは、おもむろに、理音をピアノの前に連れて来た。


そして、手で指差した。



その指差した方を理音が見てみると…


(んんっ?楽譜…

~ラブレターを君に~

……………私に?


カズさんからっ?)


「俺から……(理音を指差す)」



「イブだから?」


「いやっ!今まで理音に、会えなかった分の想い全部、詰まってる!

俺と君だけの、曲だから♪♪♪」



「……(涙ぐんでいる)弾いて聴かせて!」


理音はカズの後ろに立った。



♪♪♪♪♪♪


♪♪♪♪♪♪



♪♪♪♪♪♪



理音は泣いている自分を見られたくなかった。



カズの背中に顔を埋めそっと涙を拭った。



理音の身体すべてに染み渡る旋律があまりに美しくて言葉にならなかった。
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