ラブレターを君に

理音の反乱

忙しい日々が、理音のことを少しは忘れさせてくれた。



しかし、スタジオからの帰り道、歩いていると、どうしても、考えてしまう。



今日も、あいつは、何処かで息を潜めて居るのだろうか。




マンションの前にたたずんで、あの時のように見上げてしまう。




こんな夜中に……誰も出て来るはずも無い……




薄灯りが点っている非常階段が見えた。何て長い階段なんだろうか。と、目を凝らして見ていると、誰かが…んんっ、掛け降りてくるではないか……



あんな高いところから、何で非常階段?



だんだんと、姿がハッキリ見えてきた。



あれは!!!




間違ない!あいつーーじゃあないか!えええっっ、何で…………



下から見上げている俺に気が付いた。



(待って!!待ってて!!)



と、叫んでいるように見えた。
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