ラブレターを君に
自分で決めたことには絶対の責任を、カズは感じていた。3月には、2月に続いて出す予定の新曲の準備が着々と進むはずだった。



雑念を振り払うかのようなカズの様子を見て……



(ノリ)
「この間…事務所の社長と何かあったのか?かなり慌ててたみたいだけど……」



(kazu)
「いやっ、どうってことない!やるだけの事精一杯やるさ!それだけ!!ノリ!いつも心配掛けてすまない!……」


カズのいつもとは違う緊迫感をノリは、感じ取っていた。



今日も徹夜になるかな…と思っていた。あれ以来レコード会社からの連絡は、途絶えたままだった。


ゆえに、3月の新曲発売も未定となっていた。



現場には、正式には知らされていなかった為に、何とか作業を進めるだけは出来ていた。


事務所の社長が、そんな中慌てて駆け込んだ来た。



カズを控え室まで連れ出して…


嬉しそうに
「カズ!良かったな!あちらさんの方から、手を引いて来たみたいだ。カズには、もともと、ぬれぎぬだったんだろ?まったく、人騒がせだよな?今まで通りで良いそうだ!2週間余り、本当振り回されたよな?…しかし、こんな大事な時に、カズも、えらいとばっちりを受けたもんだ!これで俺も安心して……」


話しの途中に出て行ってしまう。



その晩から、朝までカズは、レコーディングの部屋から、一歩も出ては来なかった。
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