ラブレターを君に
美歌は、遠い日の自分を思い出していた。



美歌の家にピアノがあったことから、美歌はピアノを弾くことが大好きだった。故に音楽にも、興味を持ちあらゆるジャンルの音楽を聴いていた。ゆくゆくは、音楽の道を極めて行きたいとまで思っていた。



それを、両親に激しく反対され、あえなく美歌の夢は、夢のままで、消されることとなった。


その時美歌は大切にして書き綴っていた五線譜も、慣れ親しんだレコードも、全部燃やしてしまった、辛い思い出を……



今ふっと、思い返していた。あの燃やしてしまった五線譜には、あの時の美歌の想いが込められていた。



理音には内緒にしていた。自分が作曲までしていたということまでは……



カズの創った曲は、素晴らしいと素直に想えた。



何か自分は、間違っていたのではないかと………



慌てて、とあるところへ電話をかけた。



美歌は、チケットを手にいれることができた。



カズの最終日アリーナのチケットを二枚………



何としても、孝志と一緒に、聴きに行かなければ…と思った。
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