エリート医師に結婚しろと迫られてます
ドアがノックされ、
「先生?お電話です」
仕切りの外から、アシスタントの野島美月の声がした。声のあとから、美月が入って来る。
ああ助かった。
アシスタントの美月が、私を助け出しに来てくれた。今日は、彼女が女神様のように見える。
私は、砂漠の真っ只中から、
救われたみたいに、美月の後を付いて、
はぐれないように、部屋から出よう。
疲れたから、どんな様子かなんて、
とても、何かに例える
元気なんかないけど。
「あら、お電話ですか?」
野崎さんが、顔をあげた。
「はい。申し訳ございません。
次の予約がありまして…」
「あら、いくらでもお待ちしますわ」
おば様?弁護士は、
タクシーじゃないのよ 。
「いえ。お約束、できませんから」
私の気力は、すでに限界を越えてます。
「まあ、正直な方ですのね」
「ん?」