エリート医師に結婚しろと迫られてます
「さっきほら、ちゃんと対価をもらうって約束したよね。もう忘れた?」
「いいえ」
「いい子だね。じゃあ、言うこと聞いて」
「えっと…」
男の人らしく、関節がちょっと骨ばっててるけど、彼の手はすらっとしている。
彼の指が私の顎のあたりに添えられ、顔の色、艶や皮膚の状態を見る。
その指が、首筋に下りていき、触れると少し冷たく感じる。
その後、首のリンパ節や甲状腺の腫れなどがないか指で触れていく。
彼の手は、もう冷たくない。
私の肌と同じ温度に温まって、しっとりとした感覚だけが残っていく。
「甲状腺…大丈夫だね…」
触診をするように、
時々トントンと指で叩く。
やってるうちに、医師の顔になって、
本当に患者さんを見てるまなざしになる。