エリート医師に結婚しろと迫られてます
「さあ、早く入って…」
でっかいマンションの、埃一つ落ちてないエントランスの中に森谷さんが入って行く。
「ここは?」
私の借りてるマンションと違って、高級な造りだ。
「自宅」
「病院の近くなんだ」
エレベータも動き出す時、ぐわんと揺れたりしない。
彼の顔が近づいて、視界が遮られた。
「ああ…そんなことより君は、僕に何か話があるだろ?」
彼は、私の肩を抱いて、私の頭のてっぺんにキスしながら言う。
顔をあげると、彼と目が合う。
「あの…ありがとう。感謝してます」
「森谷さんは、仕事抜けられないって言ってたのに…ごめんなさい。私、あなたに無理させたんだ…」
「そうですよ。その事は…忘れないでください。でも、あなたのお兄さんにあの画像を見せたら、すぐに協力してくれましたけど」
「お兄ちゃんに見せた?」
「そんな…どうしよう」
「お兄さんも、あれを見て相沢に君を託すより、僕の方がましだって分かってくれたと思いますよ」
「さあ、どうぞ」
森谷さんが、部屋の前に立ってドアを開けている。