エリート医師に結婚しろと迫られてます

「さあ、早く入って…」

でっかいマンションの、埃一つ落ちてないエントランスの中に森谷さんが入って行く。

「ここは?」
私の借りてるマンションと違って、高級な造りだ。


「自宅」


「病院の近くなんだ」

エレベータも動き出す時、ぐわんと揺れたりしない。
彼の顔が近づいて、視界が遮られた。

「ああ…そんなことより君は、僕に何か話があるだろ?」

彼は、私の肩を抱いて、私の頭のてっぺんにキスしながら言う。

顔をあげると、彼と目が合う。
「あの…ありがとう。感謝してます」

「森谷さんは、仕事抜けられないって言ってたのに…ごめんなさい。私、あなたに無理させたんだ…」


「そうですよ。その事は…忘れないでください。でも、あなたのお兄さんにあの画像を見せたら、すぐに協力してくれましたけど」


「お兄ちゃんに見せた?」


「そんな…どうしよう」


「お兄さんも、あれを見て相沢に君を託すより、僕の方がましだって分かってくれたと思いますよ」

「さあ、どうぞ」
森谷さんが、部屋の前に立ってドアを開けている。


< 199 / 336 >

この作品をシェア

pagetop