エリート医師に結婚しろと迫られてます
「何って、三原さん。そういえば、彼女名前、何ていうんだっけ?」
「あいつの名前なんか、どうでもいい…」
いきなり怒られたと思ったら、ドーンと肩を押されてよろけた。いったい何?
彼は、廊下に近い部屋のドアを開けて、私を乱暴に放り込んだ。
バランスを崩し倒れそうになった私の肩を、彼は、さらに突き飛ばした。
「えっ…」
私は、床に背中から落ちると思って頭を守った。
本当に倒れると思ったら、あたったのは、固い床ではなく、ベッドのやわらかいクッションの上だった。
体がひっくり返って、上下左右の方向感覚が麻痺してるみたいに分からない。
私は彼の寝室で、どっちを向いてるのかわからないけどベッドの上にいる。
「森谷さん?」
私は、まだ目の前がくらくらしていた。
彼が、見下ろしてる。私の両方の腕を押さえつけながら。
そして…きれいな顔で凄む…
「今、君の目の前にいるのは、誰なの?
君の恋人じゃないの?君には僕のことが見えないの?」
「も、森谷さん…」
「いったい何だよ、僕って君の何?」
彼の顔は、怒りというより、悲しそうだった。