エリート医師に結婚しろと迫られてます
「こんなところで何してるの?」
彼は小さな子供にするように、私の体の向きを変え、小さな疑問も見逃さないという目つきで私の顔を見つめてる。
彼の体に遮られ、月は見えなくなった。
「うん、まあ。いろいろ…」
三原さんと食事してたって、言っていいものかどうか判断できなくて誤魔化してしまった。
「麻結にずっと会いたかったのに、君ったらこんなところで、僕に隠れて何してたの?」
「えっと、森谷さん、ちょっと待って」
私は、彼の体から離れて、空の月の出ていた方向を指差した。
「きれいな月…朧月ね。ねえ、見てよ…」
不意に目の前が、真っ暗になり森谷さんに抱きしめられていた。
「もう…君って人は…まったくなんて人なの…どれだけ、麻結に会いたかったのか分かってる?」