エリート医師に結婚しろと迫られてます
薄いレースのカーテンを通して、鈍い光が降り注ぐ。
ベッドの横、サイドテーブルの上で、何かがきらきら光っているのに気が付いた。
よく見えるように、彼の腕からすり抜けて体の向きを変える。
スタンド型のサンキャッチャーがきらきらと美しく輝きを放っていた。
20cmくらいの大きさだ。白いスタンドが軽やかで、デザインがとても可愛らしくとてもセンスがいい。
何も置いてない、殺風景な彼の寝室によくあっている。
控えめな輝きで癒されて飽きずに見入ってしまう。
私は…目を離すことが出来なかった。
前に来た時も、目にしているはずなのに。
それは、朝日を浴びた時だけ。
ほんの少しの時間だけ輝くように置かれていた。
「どうかした?」
「ううん。何でもない」
よく計算されてるのが分かる。
キラッと光ってるのは、ほんの少しの時間だけ。
光らなければ気が付かない。
「今日は…昼まで家にいるから、もう少し寝ていい?」
「ん」
「麻結は?」
「私は、もう起きなくちゃ」
「どうかした?」
「きれいな光。癒されるね」
彼が、私の視線の先にあるものを捕らえた。
「ああ、それか。忘れてた」
彼は、あっさり認めた。
聞き逃してくれればよかったのに。
「そろそろ、私、仕事行くね」
「麻結?待てよ。まだ、早いだろ?どうかしたの」