エリート医師に結婚しろと迫られてます
兄に指定された住所の近くでタクシーを降りて周囲を見渡した。

まったくの、住宅地だった。

ほんの少し街灯の明かりがついているだけで、店らしい看板が見当たらない。

この辺りは、住宅街で見る限り店らしい構えの建物が見られない。

「店なんてないね…全然分かんない」

もう根を上げた。
ちゃんと地下鉄でいけば、もっと見つけられなかったのに。

「わかんないよ。帰ろうか…」

「なに言ってるんですか!」
と美月は、帰るつもりはまったくないらしい。


辺りをうろちょろすること、数分間。
これは、もう帰ってもいいって、
神様の思し召し。と思ったところで声がした。

「おい、何やってる」
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