エリート医師に結婚しろと迫られてます


食事のあと、森谷さんに誘われて、夜の日比谷公園を東京駅に向かって歩いた。

森谷さんは、ずっと考え込んでしまって、さっき違って思いつめたみたいな顔をしている。


「今日になって…潤也から、君はそれほど僕の事を怒ってないって聞いた。
それを聞くまで、君は僕となんか口をきいてくれないと思ってたから…ほっとしたんだ。

けど…その時の僕の気持ち…君は分かる?
何で、直接僕に伝えてくれなかったのか…訳がわからなくて…そうしたら、潤也とよりが戻って、親しくなってたら…すべて府に落ちると思って…」


「それで、潤也とよりが戻った事になったのね。ずいぶん、見かけによらず、創造力豊なのね。驚いたわ。

それに、私は怒ってないって、それは本当よ。信じて。何度も言うけど、あなたの過去の女性のことで、いちいち喜んだり、悲しんだりしない…」



彼が、急に立ち止まり、近づいて、ぎゅっと私の両肩をつかんだ。

彼の腕が力強く私の体を揺する。



「怒ってないなら、いったい何?
それなら、どうして僕を避けるの?
僕は何したらいいの?

怒ってないのに、僕のこと避けるのは、
僕を見限ったからだろ?
どうしたら許してくれる?
どうしたら、
もう一度君を手に入れられる?


正直に?正直な気持ちなんて、
何度も、何度も言ってるじゃないか!

どうして耳を貸してくれないの?
どうして、僕の言葉だけ疑うの?」



「何度も言って…」
森谷さんが…唇を重ねて来た…


「もう…僕には何も残ってない。

君が必要だ。
お願いだから、
僕を選んで…すぐにとは言わないから、
君と結婚したい」

かすれた声…必死に訴える声に、はいと言ってしまいそう。

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