エリート医師に結婚しろと迫られてます
いつもとちょっと違う店に来れて、
美月ははしゃいでいる。
「うわーっ、これじゃ普通の家みたいですね。看板が、かかってないと、気がつかないですよ」
料亭と言うか、
古民家を改修した居酒屋と言うか、
私には、判断がつかなかったけど、
建物はしっかりとした、造りの古い民家のようで、町家みたいに細長い建物だった。
兄が、申し訳ないとポーズで示してる。
「そうだったね。
もっと分かりやすい場所で、
待ち合わせすればよかったかな」
そして、兄は、気前よく、
美月に向けてニカッと笑う。
「いえ。大丈夫です?これからは、
お兄様に電話すればいいだけですから、
迷うことなんてありませんよ」
「そっか、携帯の番号は、
後で妹に聞いてくれ」
「はい」