エリート医師に結婚しろと迫られてます


「父さん?なにを気にしてるの?」

森谷さんが、小さな声で教えてくれた。

「僕達の争奪戦が始まったみたいだよ。どっちの実家の近くに住まわせるか、簡単には決まらないかも」


「僕達の?なんで?」
私まで入ってるのよ。

「うん、麻結、僕らは、お互いに跡継ぎ同士だってことお忘れなく」


「そうだ。簡単なことじゃない。2人別々に暮らせばいいわ。麻結は裕貴さんの実家にやって、裕貴さんは家に住めば」母が一番張り切っている。


「それは絶対に、ダメです」と森谷さんが言う。


「母さんそれは、お互いの家にとってはいいかも知れないけど、孫の顔を拝むのはずっと遠のくよ」と兄が助け舟を出す。


代々続いた病院を長男の気まぐれで危うくされそうになったのを、救ってくれる救世主のように森谷さんが見られてる。


彼が自分の家族に大事にされ、楽しそうにしているのはとても嬉しい。


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