エリート医師に結婚しろと迫られてます

料亭と言っても、べらぼうに
高いわけでなく、手の届く範囲だ。

「どうだ、麻結子好きなもん頼め」

「はい」

美月が、兄と二人で料理を頼んでいく。


それほど構えなくていいと、
兄が説明している。


「お兄ちゃん、接待だって言って、
この店、何度も来てるでしょ?」
美月が、まだ演技を続けてる。


お兄ちゃん、ご機嫌だ。

「ここはなあ、接待じゃなくて
涼平が教えてくれたんだ」

兄は、美月が妹だって忘れて、
美月を通り越して、
私の方を嬉しそうな目で見る。

「涼平さん!」
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