エリート医師に結婚しろと迫られてます
なんか変だ。

ゲジゲジ男になら、こんなふうに迫られることもあるけど…

相手は、
容姿も仕事も、ステイタスも完璧。

彼が持って無くて、私にあるものって…





まさか…健康な肝臓とか…



こっそり兄が私に黙って、ドナー登録してたとか…

まあ、そんなのは、公序良俗に反してるから、もちろん無効だけど。


「あの…そろそろ」

もう…限界。
私の肝臓だって狙われてるかもしれない。


森谷さんが、さっと顔をあげて、
そのまま私の顔に近づける。


ひょっとしたら、彼は…

からかって遊んでるだけなのかも…

肝臓が悪そうには見えないし。



それとも、哀れな弁護士が、どんなふうに慌てふためくか…なんて…


例えば…私が、嬉しそうに、
それって、どういう意味ですか?

なんて、ハートを浮かべたうるうるした瞳で、
彼を見つめながら聞き返したら、

手のひらを返したみたいに、涼しい顔で、

ごめん、誤解させちゃった?
そんなつもりじゃなかったんだ
なんて、さらっと言うとか…


ねぇ…そうじゃない?


森谷さんが、さっきから、微妙な顔して私を見る。


「僕はもう一杯もらおうかな。
せっかくですから、一緒に如何ですか?」


森谷さんは、そういうと、
同じものを注文した。
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