エリート医師に結婚しろと迫られてます

「ええ…実は、わたくし
とても素晴らしい能力を持っていますの」

野崎様は、身を乗り出してメモを取る弁護士に満足そうに言う。

ん?

「と、言いますと?」


私は、?マークを付け足す。


「先生?私には…人を治す力が、備わっていますの。ですから、その素晴らしい能力を、世界中に知らしめるために、
手紙を書いてますの」

神経を集中してただけに、疲労感が倍増した。

「はあ…」

私は、クライアントの話を、
法律問題に結びつけようと、
培った能力に全速力で蓋をする。
耳と神経を痛めないように。

昔、父の聴診器でイタズラしてて、誤って金属音を拾ってしまった時みたいに。


話を聞きだすのは、あきらめて
もっともらしい顔して、腕を組む。

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