エリート医師に結婚しろと迫られてます

「本当にいいところだね。気にいったよ」
そういって、彼は私の耳に軽くキスをした。

予測できなくて、大袈裟にピクンと
体が跳ねる。


私は、恥ずかしくなって、
森谷さんの腕を振りほどくと、
彼を置いて歩きだした。


防波堤を越えて砂浜まで降りていく。

彼は、さりげなく機会を狙って私の体に触れてくる。
真理絵ならさりげなく、かわせるんんだろうな。

彼に触れられるのは心地よい。
でも、心地よいってどういう感情から来るのか分からない。



砂浜を歩いていくと、人影がこっちに向かってくるのが見えた。


多分、あのロングスカートをはいてるのは、
真理絵だ。
彼女も、きっと涼平さんに会いに来たんだ!

「真理絵!」

砂浜を駆けていく。
昔のように軽やかにとは、いかないけど、
真理絵にもう一度声をかけて、
ようやく彼女が気がついた。

< 89 / 336 >

この作品をシェア

pagetop