エリート医師に結婚しろと迫られてます
「本当にいいところだね。気にいったよ」
そういって、彼は私の耳に軽くキスをした。
予測できなくて、大袈裟にピクンと
体が跳ねる。
私は、恥ずかしくなって、
森谷さんの腕を振りほどくと、
彼を置いて歩きだした。
防波堤を越えて砂浜まで降りていく。
彼は、さりげなく機会を狙って私の体に触れてくる。
真理絵ならさりげなく、かわせるんんだろうな。
彼に触れられるのは心地よい。
でも、心地よいってどういう感情から来るのか分からない。
砂浜を歩いていくと、人影がこっちに向かってくるのが見えた。
多分、あのロングスカートをはいてるのは、
真理絵だ。
彼女も、きっと涼平さんに会いに来たんだ!
「真理絵!」
砂浜を駆けていく。
昔のように軽やかにとは、いかないけど、
真理絵にもう一度声をかけて、
ようやく彼女が気がついた。