エリート医師に結婚しろと迫られてます
真理絵は、風に吹かれてまとわり付いてくるスカートの裾を気にしながら、手を振って歩いてくる。
やっぱり、こうじゃなきゃ。
女神様みたい…キラキラして。
自慢の友だちだ。きれいで優しくて。
『君の友達?』
『そうよ。きれいな子でしょ?』
その男の子がどんなふうに反応するのか見たかった。
そうするのが、習慣みたいになっていた。
真理絵のこと自慢したかった。
今考えれば、私は、なんてバカな事言ったんだろう。
「可愛いな…真理絵」
不意に出た言葉で、
誰かにかけたわけじゃなかった。
「お友達?」
後ろから声がして、
ピクッと反応してしまった。
息があがってたものの、
森谷さんがすでに、私の後ろにピッタリと後ろに付いていた。
「いきなり、走り出すから…もう…」
「以外と速いじゃないですか…」
「こんなことなら、
ちゃんと準備しておけば…」
「やだな…森谷さん。
そんなことしてたら、準備だけで、
人生終わったちゃう」