エリート医師に結婚しろと迫られてます

「きれいでしょ?彼女」

森谷さんが、真理絵のことに
何もふれないので、自分から尋ねてみた。

「そう?」

「それだけ?
彼女を見て何も思わないの?」


「真理絵さんのこと?
まあ、強いて言えば…
あなたと仲が良すぎて嫉妬することかな」
森谷さんが真顔で言う。


「嫉妬?何でそんなふうに思うのよ」
私は、笑ってしまった。


「さっきから、僕に分からないように、
二人で目で会話してるでしょ?早くそんな風になりたいな。僕たちも…」


「そうだっけ…無意識だったから…
ごめんなさい。無視したわけじゃないの」


他には?と、私は、もう一度彼に聞いた。

「彼女は、あなたのこと麻結って
呼んでるから、僕も麻結って呼ぼうかなと
考えてたところです」


「本当に?それだけ?」


「そうですよ…」
また、余裕の微笑みだ。


「あなたは、ああいう女性を見ると、
男として…興味がわくというか…
引かれるって思わないの?」

森谷さんは、きっと鋭く私をにらみつける。

「君は、まだそんなことしてるの?いい加減にやめろよ。僕は彼女に会いに来たわけじゃない」
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