HE IS A PET.


「怜の寝床はここね。バスルームは好きに使って。私はシャワーしか浴びないから、湯船に浸かりたかったら自分でお湯張って、出るとき軽く洗っといて。冷蔵庫の中のもんは好きに飲み食いしていーよ。あ、こっちの部屋には入らないでね」


 帰って、まず最初にしたのは『同居のルール』説明。

 さして広くはない1LDKを一緒に歩き、『怜がしていいこと・駄目なこと』を伝えていく。

 一番最初にそれをきっちりと教えてやってほしいと、真崎さんから頼まれたことだった。

 確かに、ルールや線引きは決めてある方が楽だ。ルールがあれば、守ればいいだけ。単純明快、合理的。



「宅急便で届いた段ボール箱は全部ここに置いてあるから。すぐに要るものだけ取って、それ以外は土日で整理したらいいよね。手伝うことあったら言って。手伝う、明日。今日はもう働きたくない」


 説明をして回るだけで、結構ぐったりきた。
 一体何をそんなに持ち込んで来たのかと思うほど大量の段ボール箱を改めて見て、もっとぐったりした。


「分かんないことあったら、また追々聞いて。一度に沢山言われても分かんないよね」



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