HE IS A PET.


「え?」

 まさか違うとか言わないよね?
 凝視すると、チトセは呆れたように吐き捨てた。

「男が、男飼って楽しいかよ」

 うーん、少なくともアズミンは楽しそうだけどな。戸田さんも怜を飼いたがってたし。


「アイツを飼ってたのは、悠里」

 ゆうり?

「俺の妹だよ。悠里は、アイツをとことん依存させて、それにどっぷり依存してた。共依存って奴だよな。精神的に、だけじゃなくて肉体的にも」

『肉体的にも』と強調された言葉に、

『怜は前の飼い主に調教されたのよぉ。身体に教えこまれた快楽ってのは、なかなか抜けないみたいねえ』

 アズミンの言葉を思い出した。

 怜とチトセのどんな過去を聞いても、受け止める覚悟で来たのに。
 チトセが人違いで、女の子だと知って、あからさまに動揺してる自分がいる。

 衝撃、嫌悪感、嫉妬、敗北感、対抗心。
 込み上げてくる収拾のつかない感情を、飲み込んでどうにか口を開いた。

「……どうして、ゆうりさんは、怜を捨てたの?」

「それを聞いたら、アイツを飼ってらんなくなるって言ったよな。それでもいいのか?」

 念押しする鋭い瞳。



< 175 / 413 >

この作品をシェア

pagetop