HE IS A PET.


「大丈夫、何を聞いても。怜を嫌いにはなれないから」


 それよりも、チトセに誤解させたままでいいんだろうか。
 怜の飼い主のふりをして、打ち明けられる秘密を聞いてしまってもいいんだろうか。

 飼っていられなくなるも何も、私の元に怜はいない。


「勘違いすんなよ。ホントのことを知ったら、あんたが怜を捨てたくなるって意味じゃない。逆だ。怜があんたを捨てる。それでも知りたいか? あんたにメリットがなくても?」

「私は、怜の……」

 飼い主じゃないけれど。

「意志を尊重したい。怜の好きにすればいいと思う。怜がどうするかは、怜に決めてほしい」

 空虚な怜が心から満たされる方法があるのなら、例え誰を傷つけても遂行してほしい。


「あんた、アイツに惚れてんだな」

 チトセが呆れたように言った。

「悠里も、アイツにベタ惚れだったよ。女みてーにメソメソして、ひょろい奴の、どこがいいんだか知らねえけど。ずっとアイツを待ってる」

「え?」

「アイツが戻って来るのを、別れた瞬間からずっと待ってる。見てて憐れなくらい」

「待ってる……って」

 手酷く捨てておいて?


「じゃあ、捨てなきゃ良かったのに」

 訳が分かんない。
 理不尽さに憤慨すると、チトセは苦虫を噛み潰したような顔で言った。


「悠里がそうしたのは、アイツを想ってだよ。悠里は……病気なんだ。余命宣告されるような病気だ。死ぬんだよ」


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