HE IS A PET.
店の女の子を送迎するついでだからと、チトセに送られて帰路についた。
その間にどんな会話を交わしたのか、交わさなかったのかも、記憶が曖昧だ。
重いものを抱えてしまったという感覚だけが、ずしりと胸を占めている。
部屋に帰って、少しだけ気が抜けた。シュウがいたからだ。
「お帰りなさいませー、ご主人さまぁ」
ソファーに寝転がり、見上げている漫画本をずらして、ゆるい笑顔を見せる。
「ただいま。ちょっと、寝そべってお菓子食べんなって、何度言ったら分かんの」
ソファーに引き寄せたリビングテーブルの上には、ほぼ空っぽのお菓子の袋と飲みかけのペットボトル。下には、散らばったお菓子の欠片。
「だってぇー」
言い訳しようとするシュウを尻目に、隣室に向かう。
「はい、退いて」
シュウを退かせて、ソファーに付いたお菓子の欠片をハンドクリーナーで吸っていく。
仕上げに、シュウの表面にも一通りクリーナーをかけると、
「ありがとう、サキちゃん。愛してる」
何の反省もない笑顔が返ってきた。
こんなにだらしないシュウなのに、過去に住んでいたマンションはいつも割りと綺麗に片付いていた。
やって来る女の子たちが、世話してくれてたんだろう。