HE IS A PET.


 それでいいのかと何度も自責する。
 怜が悠里に会える可能性が永遠にゼロになってしまう前に、伝えなくていいのかと。

 だけどもし真実を伝えたら、怜は今以上に悠里に依存した挙げ句、永遠に置き去りにされてしまうのだ。
 後を追ったりしないだろうかと怖くなる。



 チトセからの電話のあと、はかどらない仕事を何とかこなし、うちに帰ってどっと脱力した。


「お帰りなさいませぇ、ご主人さまぁ」

「ふざけてんの」

 としか言いようがない。

 いつかネットで見た、『ワンにゃんシリーズ』のトイプードルのコスプレ・ルームウェアにご機嫌で身を包んでいるシュウはへらりと笑って

「似合うー? サキちゃんの分もあるよ。色チで」

 私の分だという同じ衣装の、モカベージュ色を差し出してきた。色チって、色違いのことか。

「何で、シュウがピンクなわけ?」

 当然の疑問を口にすると、

「だって、俺の方がピンク似合うし」

 当然のように答えられる。

 むう。悔しいけど、本当だ。
 基本的に柔らかい色が似合わない私と違って、シュウには柔らかい色がよく似合う。


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