HE IS A PET.


 ベッド脇に置いてある、怜の物だと思われる衣類に視線を逃がす。

 そんな私を逃がすまいとする熱っぽい瞳は、少しの獰猛ささえ滲ませていて、まるで肉食獣に組み敷かれた気分になる。

 怜になら食べられてもいい。けど、今この場でってのは……

「お、お、お、落ち着いて怜!」

 お前が落ち着けというツッコミもなく、怜は苦しげに目を瞑った。

 自分の身を案じている場合じゃないと気付いた。
 怜の具合が悪そうだ。

 涙と汗で、全身に水気を帯びている怜は小刻みに震えている。
 耐えるような表情で目を開けた、その瞳はしっかりと私を捉えながらも、こちらからは捉えどころがない。

 ぼうっとして、高熱に浮かされたような瞳をしている。

 ああそうか。怜が見ているのは、私じゃない。私じゃなくてもいい、誰かだ。

 そう気付いて泣きそうになったとき、ぺろりと頬を舐められた。
 続けて首筋にも舌が這わせられる。


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