HE IS A PET.


 一悶着あった朝食を終え、怜は荷物の整理を始めた。


 私に手伝わせるのは心苦しいと、寡黙に一人で作業をこなしていく怜を尻目に、他ごとをしていたけれど。

 息苦しさにギブアップ。

 一挙一動に緊張されては、こっちが疲れる。

 ペットに癒されるなんて、嘘だ。



「ちょっと本屋行って来る。お昼には戻るから。お昼は、私は何か作るね」

 言い置いて、マンションを出た。


 車を少し走らせたところで、スマホが鳴った。
 ワイヤレスイヤホンで通話に出る。


「はい、倉橋です」


「Hello、さきぃ?」

「アズミン!? なに、どーしたの?」


「どーしたって、もうビールが美味しくて美味しくて幸せー。今、ドイツなの。で、怜は元気ぃ?」

 ああ、深夜の酔っ払いか。

 ドイツとの時差を考えると、アズミンは今日の午前二時を過ごしているわけだ。

 ドイツと言えば、地ビールにソーセージ。


「いいなあ、私も食べたい」




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