HE IS A PET.


「あんた、マジでどんだけだよ。ホントはよくも知んねえんだろ? 犬のこと。あんた、飼い主代理だもんな?」

 意地悪く笑うチトセに、言葉を呑んだ。

 怜の飼い主じゃないと白状する機会はいくらでもあったのに、黙っていた理由を問われたら、いい答えがない。

「怜はあんたが思ってるよりずっと、いかれてんだよ。悠里が手に入るなら、常識や道徳なんてもんは簡単に手離す」

「違う、怜は……」

 怜は……どこにいるんだろう。
 こんなこと、言われっぱなしなんて悔しい。


「……真犯人の目星は、ついてないの?」

「は? 真犯人って何だよ。アイツが犯人だっつってんだろ。頭大丈夫か」

 私に振り向けた瞳に、本気で心配そうな色を浮かべたチトセに、少し可笑しくなる。

 頑なに怜を擁護する私は、頭がおかしいのだろうか。
 でも、怜がやったとは思えないんだからしょうがない。


「警察は? 警察も怜を捜してるの?」


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