HE IS A PET.
結局、いても立ってもいられなくなった二時間後、真崎さんに電話した。
旅行中のアズミンに電話するのは気が引けたし、
「怜のことで何かあったら、いつでも電話下さい」
と真崎さんが言ってくれていたからだ。
真崎さんは怜の行き先を知っていた。お昼過ぎに、怜から電話があったらしい。
「でも、あれから時間経ってるからね。まだいるかどうか……あ、……駄目だな。電源入ってない」
私と喋りながら鳴らした怜のスマホが、繋がらないことに真崎さんも不安を覚えたみたいだ。
「すぐに見に行って来ますね。で、連絡入れます」
「あ、私が行きます。預かってる責任あるし」
真崎さんからスペアキーを借りて入った高層マンションの角部屋で、怜は眠っていた。
アズミンの趣味なんだろう。
お姫様が寝るような天蓋付きのベッドで、ふかふかの羽毛布団の上に身体を沈め、静かな寝息を立てていた。
メルヘンロリータ調に飾り立てられたベッドと、ゴシックパンク調の服を着た怜は見事にアンマッチで、まるで絵のように繊細に見えた。
アンティークなオレンジ色のダウンライトに、儚げに映る怜の寝顔にそっと手を伸ばした。