HE IS A PET.


 アズミンのマンションを出て、歩いた。

 住宅街を抜け、川沿いの土手を歩く。春の終わりにもなると、朝の八時はすっかり陽が高くて、ちょっと暑い。
 ジョギングしている人とすれ違う。暑いなか頑張るよなあ、と思う三人目。

 後ろからは、ガラガラとスーツケースを引きながらついてくる、脩吾。
 どこまでついてくるんだろうと思っていたら、

「ねえ、サキちゃん。どこ行くの?」

 今さらな感じで、脩吾が尋ねた。

「AZMIX」

「何でぇ?」

「真崎さんに会って、話したいから」

「えー。それって、後でも良くなぁい? 一回サキちゃんちに帰ろーよー。荷物持ち歩くの疲れるしぃ。シャワー浴びたいし、お昼寝もしたいしぃ」

 ギャルみたいな口調でわがままを言って、ネカフェ難民のごとくスーツケースをガラガラと引き歩く脩吾。

「別に、ついて来てなんて言ってないじゃん。てゆーか、何でうちに来るの、決定事項みたいになってんの?」

 それにお昼寝って、まだ朝だっての。


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