HE IS A PET.


 俺様長尾さまと話し終わり、猛烈に思い出したことがある。

 アズミンから渡された玉手箱、まだ開けてないや。開けるの、怖い気もするし。


『元々、咲希にあげるつもりだったみたいだし』

 脩吾が私に、何をくれる気だったのか。
 そして、どうしてくれなかったのか。

 様子がおかしかった脩吾を思い出して、胸が急速にざわつく。

 バッグから白い小箱を取り出した。

 箱を開くと、手触りの良い小さな巾着袋が出てきた。息を呑んで、それを紐解く。


『シュウって、本当に馬鹿よねえ。説教してやって』

 アズミンが嘆いた理由が分かった。

 目眩がするほど、上質な輝き。

 素人が一目見ても最高級と分かるダイヤモンドリングが、場違い感を嘆いていた。



「これって、百万以上はするよね?」

 乙姫に電話して、恐る恐る尋ねると

「そうねえ。一千万はするんじゃないかしらぁ」

 現実味のない答えが、あっさりと返ってきた。

 一千万!?
 ファンタジーな金額すぎて、信じがたい。

「嘘でしょ? 桁違いじゃん」

「天然のピンクダイヤモンド、1カラットよぉ。Iクラスだし。人工で色つけたやつだったら、百万くらいでしょうけど、それは天然ものよ。天然のピンクダイヤモンドって、超希少なのよぉ」

 そんな希少品が、どういう因果で私の手元に?


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