HE IS A PET.


「脩吾は、何て言ってアズミンに……」

「いらなくなったから、あげるって。また遊びに来るから、お楽しみ用意しといてって」

 怜のために全てを手放そうとしていたアズミンに、私は何もできなくてイライラしていた。
 脩吾に八つ当たりしてしまった。

 脩吾がうちを出て行った後、またアズミンのところに戻ったなんて、知らなかった。
 これを渡しに戻ったのか。

『一回寝れば、大概のことは解決するって』


「あの子ねえ。うちにいた頃、よくびっくり箱作ってたのよねえ」

 恋人だった頃を懐かしむトーンで、アズミンが言った。

「今回のが、一番悪趣味。元カレが、元妻のお金で、他の女のために買った指輪なんて、要るぅ?」

「要る人は、要るんじゃない? 何だろうが、貰えりゃ嬉しいって人は」

「あたしは嫌。そーいう咲希は? 振った男が、元妻のお金で、自分のために買った指輪は。気に入らない?」

 気に入る、気に入らないの話じゃない。貰う理由がない。


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