HE IS A PET.




「返す」


「え? ってゆーか、何でサキちゃんが持ってんの?」

 電話越しに、脩吾がきょとんとした。


「アズミンが、要らないって言ってくれたんだけどさ。貰っても困るし、返すね」

「うそー、マジでぇ? シュウちんショックー。二人とも酷くなーい?」

 相変わらず脩吾はふざけていて、それでいてどこか、いつもと違う。


「…………大丈夫? 脩吾」

「んー……大丈夫くないかも。俺、……パパになるかも」


 は?――パパになる?

 って、子供が生まれるってこと? 脩吾の?


「信じらんない。前の奥さんとデキ婚して、破局した後すぐじゃん。また、なんてほんっと馬鹿じゃないの? 学習能力、ネズミ以下じゃないの?」

「やだ、サキちゃんったら。さすがにネズミよりは、繁殖能力低いってば」

 ふざけてる。こいつマジでふざけてやがる。

「避妊って知恵があるでしょうが。てか、私が信じらないって言ってんのは、」

 私のこと好きだ好きだと言って、プロポーズまでしたくせに。ふざけんな。

 といって、私に怒る資格はない。

 脩吾のプロポーズは断った。
 怜に抱かれた。

 それでいて、脩吾に裏切られた気分になるなんて我が儘だ。


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