HE IS A PET.

「自分の利権のためだけにって言うと、ちょっと語弊あるかな。偽パパ、元奥さんのこと愛してるんだよねー。長年、想い続けてたみたいだし。俺みたいなのに渡せないと思って、強硬手段に出た感じ。俺が元奥さんちの事業を継いで、潰しちゃわないかってのも心配だったんだろねー」

 心配しなくても働く気なかったのになあ、と脩吾がへらりと笑う。

「脩吾がそんなだから、そんなことになるんじゃん」

「ですかねー」

 他人事みたいな相槌に、いらっときた。

「ふざけんな、ちゃんとして。パパなんでしょ。お正月にコンビニで会ったとき、約束したの覚えてる? 奥さんと赤ちゃん、幸せにするって」

「って思ってた矢先に、違う男の奥さんと子供になっちゃったからさあ。今さらやり直すとか、無理くない? 俺の心情的に。サキちゃん的にはどう?」

 今さら無理と脩吾が思うのも、確かに無理はない。

 いくら偽パパに騙されたといっても、元奥さんの不貞が前提になければ、DNA鑑定結果の偽装工作にも至れないのだから。
 他の男の子供を身ごもる可能性が、事実としてあったということだ。


< 373 / 413 >

この作品をシェア

pagetop