HE IS A PET.
ショボくれてなんか、ないやい。
もう二十六だし、おめでたくもない。
年々、友達が減ることにも慣れた。
断じて強がりじゃない、のに。
「おめでとーさん、ほら食え」
デスクに置かれたのは、近くにある有名ケーキ店の箱。
「え……わざわざ、買って来てくれたんですか?」
目を丸くして、長尾さんを見上げると
「わざわざでもねーよ。すぐそこだろ」
にかっと笑われた。
「別に、気を遣って頂かなくても良かったんですけど」
「おっ前、ほんと可愛げねーなあ。こーいうもんは素直に『ありがとう』だろうが」
嫌そうに言って長尾さんが箱を開くと、小さいけれどボリューミーなホールケーキが登場する。
盛り沢山のフルーツと、たっぷり生クリーム。真ん中に飾られたチョコプレートには、
『Happy Birthday to Saki』
名前入りが、恥ずかしい。
長尾さんがこれを注文した場面を想像すると、尚更。
「あ……りがとうございます。すごく、嬉しいです」
さらりとスマートにお礼を述べるつもりが、照れが入ってしまった。
「いーえ、どういたしまして。よく言えました。さすが、一つ歳食っただけあるな」
「むぅ、馬鹿にして」
「むくれんな。早く食え、溶けるぞ」